再放流禁止

 新幹線の内壁に貼ってあった広告に、滋賀県の琵琶湖の広告があった。


 琵琶湖を大切に、という内容で、「ゴミのポイ捨て禁止」みたいな禁止事項が並んでいた。その中の一つに「外来魚の再放流禁止」というものがあった。要するに、釣ったブラックバスはリリースするな、ということらしいが、人が釣った魚をリリースしようがどうしようがその人の勝手だろう、と思った。まあいいたいことは分からないでもないけど、「リリース禁止」ってのはややあつかましいと思った。


 それはいいとして、ブラックバス問題については、昔から反論があった。本当に害魚なのかとか、生態系を乱しているのか、等だ。琵琶湖でタナゴなどの数が減少しているのは、ブラックバス問題よりも、湖の汚れなども影響している、という話もちょくちょく出ていた。が、まあ今となってはやはり害魚としての側面が強くなってきているというのも事実なのだろう。生態系云々の話は、何が正しいのかを見つけるのが難しいので、あまり他人としたくない話ではある。


 さてブラックバスが広がった原因は「闇放流」であると昔からされているが、俺はこれが未だに信じられない。そもそも誰が数ある野池に闇放流をしたというのか謎なのだ。余程の釣り好きでもそんなことはしない気がする。しかも、魚を生きたまま運ぶというのは難しいし、水質や水温の違いなどで、放流しても繁殖する可能性は実に低い。10匹くらい放流すれば別だろうが、ブラックバスを捕まえることも簡単ではない。おまけに野池や湖の数は途方もなく多い。そんな小さな野池の一つ一つにまでブラックバスが生息しているのは個人的には謎としか言いようがない。原因は、闇放流くらいしか原因が考えられないのかもしれないが、それにしてもブラックバスが日本中の水という水に生息している理由が、未だに釈然としない。