作曲者より編曲者の方が偉い

 何やら最近、大塚愛とか言うのが人気らしい。というかどの店に行ってもさくらんぼがかかってくるのだが、最初聞いたときどこかで聴いたことがある曲だから、何年か前に流行った曲かなあ、と思っていたら新曲であった。よくあるコード進行というのと、ついでにホワイトベリーとかaikoっぽいというところからそう感じたのだろう。


 俺は芸能界には興味がないし、興味がある奴は劣等種、とまでは思わないが近いところはあると考えているので、今更大塚愛の話題かよと思われるかもしない。つまり情報がちょっと古い。


 それはそれとして、彼女について調べてみたらシンガーソングライターらしいが、この手の「作曲もしています」という歌手(主に女)は大抵メロディラインと、あとちょろっとした編曲程度をやっているだけが関の山で、必ず編曲(主に男)がついているのが常である。彼女もご多分に漏れず、Ikomanという編曲者がついていた。


 作曲、というより一つの曲を最後まで作り上げるのは難しいものであって、楽器が弾けます、作曲できます、歌が歌えます、だけではCDに収録できるような音は作れない。DTM的な詳しい知識は必ず必要になるし、音響工学的な知識も必要になる。年端もいかないような女が、「作曲をした」といって威張っていることが多いが、実際大したことがない。一番偉いのは、最近で言うところの編曲者である。

 しかし編曲者は、こなしている仕事は多いというか、ほとんどその曲を作った作曲者的存在であるのに「編曲者」という称号しか与えられないのはどうかと思う。編曲という言葉以上に貢献しているはずだからだ。